◎ 同族会社の 「留保金課税」 とは?



「同族会社」 にだけ適用される 「留保金課税」!



◆ 「 同族会社 」 とは?

「 同族会社 」 の 定 義
 同族会社とは、株主等が3人(その特殊関係者
を含む)以下
で その持株割合が50%超
(※)
となる会社

(※)平成15年4月1日以降に開始する事業年
度から 「50%以上」 ⇒ 「50%超」 に改正
同族株主等の
持株数


50
自己株式を
有する自社
は株主から
除いて計算
会社の発行済
株式数
自己株式数
を除く
議決権基準も  : 同族会社の判定に、平成18年4月1日以後に開始する事業年度から、
会社の議決権の内容に応じその総数の100分の50を超える数を有する場合等が追加されました




◆ 同族会社に対する 「留保金課税制度」

  • 同族会社が、留保所得金額のうち、一定の留保控除額を超える金額を社内に留保した場合、課税留保金額に対して、特別税額が課されます。

  • 課税留保金額所得( 配当 + 法人税等 )留保控除額


    留保控除額
    次の3つの内、最も多い金額
    (@)所得基準額当事業年度の所得等の金額×35%
    (A)定額基準額年1500万円
    (B)積立金基準額期末資本金の25%相当額ー期末利益積立金額


    課税留保金額に対する税率

    課税留保金額税 率
    (@)年3,000万円以下の部分10%
    (A)年3,000万円超年1億円以下の部分15%
    (B)年1億円超の部分20%




    ◆ ”留保金課税制度の不適用” について


    「留保金課税」 が不適用(適用停止)とされる法人

  • 同族会社で、以下に掲げる法人について、所定の期間は、留保金課税が軽減され、又は不適用とされています。


  • (1)平成18年3月31日までの間に開始する事業年度に不適用

    @ 設立後10年以内の中小企業者(※1)
    A 「経営革新計画」の承認を受けた中小企業者(※1)
    (※1)ここでいう「中小企業者」とは、 中小企業基本法 で規定する中小企業者を言います。

    ◆ 「 中小企業者 」 の範囲 <比較>
     法人税法に
    おける定義
    中小企業基本法
    における定義
    製造業・建設業
    ・運輸業
    資本金

    1億円以下
    資本金3億円以下
    又は 従業員300人以下
    卸売業資本金1億円以下
    又は 従業員100人以下
    サービス業資本金5000万円以下
    又は 従業員100人以下
    小売業資本金5000万円以
    又は 従業員50人以下



    (2)平成15年4月1日から平成18年3月31日までの間に開始する事業年度に不適用

  • 青色申告法人で、自己資本比率が50%以下の中小法人(資本金1億円以下の法人)

  • 自己資本比率前事業年度末の
    自己資本額
    (※2)
    自己株式相当額
    は控除しない
    前事業年度末の
    総資産額
    自己株式相当額を
    含めることも可
    (※2)自己資本額 : 資本金・資本積立金・利益積立金の合計額に、同族
     関係者からの負債(利子の支払の基因となるもの)の額を加算
    した金額



    ◎ 上記、留保金課税の不適用制度の適用を受けずに申告納付した場合、
    更正の請求でその税金を取り戻すことはできません


    ◎ 上記、留保金課税の不適用制度の(1)及び(2)については、明細書を
    添付する
    こととされています


    平成18年4月1日以後に開始する事業年度からの留保金課税制度は?(→)




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    同族会社に対する留保金課税は、所得税率との兼ね合いで、内部留保を厚くするのを抑える目的で
    設けられましたが、不況下で中小企業の体力強化が優先され、留保金課税の停止措置が講じられました。




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    tel: 06-6681-2144  税理士 服部行男
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